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2007.12.08 Saturday

『水滸伝 第十四巻 爪牙の章』北方謙三(著)

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    水滸伝 14 (14) 爪牙の章  (集英社文庫 き 3-57) (集英社文庫 き 3-57)
    水滸伝 14 (14) 爪牙の章 (集英社文庫 き 3-57) (集英社文庫 き 3-57)
    著者:北方 謙三
    出版社:集英社 (2007/11/20)
    ISBN:9784087462296

    >>>あらすじ
    梁山泊は、威勝(いしょう)田虎(でんこ)の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山(せきていざん)魯達(ろたつ)鄒淵(すうえん)らを派遣し、切り崩しを図る。
    しかし、田虎に雇われた張清(ちょうせい)が、精強な傭兵部隊を率いて立ちはだかった。
    一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍あわせて20万の軍兵を投入してきた。
    兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。
    ・・・・・・・・
    北方水滸、焦眉の第十四巻。
    <<<

    ついに官軍の大攻撃がはじまるわけですが、それでも総攻撃ではない、まだまだ十分にしかも無尽蔵の余力を残している。そういう圧倒的なチカラの差は歴然なのです。局所戦あるいは個の闘いでは梁山泊が勝利することもできるのでしょうが、いずれ巨大な波に呑み込まれていくことは必至なのでしょう。滅びの美学、というのは短絡的かもしれませんが、その悲劇性によって永く人々の心に残る、その志を継ぐ者を産み出す、そんな美しさを感じるのです。
    さて、今巻でもまた、王進(おうしん)子午山(しごさん)の場が、ほんの少し描かれています。あの楊令(ようれい)が逞しく成長していることが微笑ましい。この子午山のシーン、そこに赴き受け入れられるまでを描き、成長の過程は敢えて説明せず、再度登場した時には自然にその過程を感じ取り納得できる、という描き方のように思えます。それがまた一層、この空間の穏やかさ、美しさを際立たせ、癒しを覚えるのです。

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